ジョウゴ沢③

 地図 <ヤマレコ><地形図> 

 山行基本情報 

山行部・専門部 アルパイン部
山名/山域 八ヶ岳/赤岳
ジャンル 積雪期ピークハント
日程 2022年2月26日~27日
CL 会員番号3028
参加人数 13人
文責 会員番号3028

 山行個別情報 

天気 26日晴れ 27日風雪
アクセス マイカー3台
コースタイム

26日名古屋6:45==10:00美濃戸口11:00・・・14:00赤岳鉱泉・・・ジョウゴ沢F1左ルンゼ雪稜訓練

27日小屋5:30・・・6:10行者小屋・・・6:25阿弥陀分岐・・・阿弥陀・中岳分岐・・・8:25赤岳頂上・・・10:20行者小屋・・・10:55赤岳鉱泉・・・14:25美濃戸口14:45==樅ノ湯・・・19:10名古屋

コース状況 積雪量が多く、雪山登山には打ってつけだが、凍結個所も多く、岩と雪のミックスでの急登
共同装備 ロープ4本、スノーバー4本、ツエルト4個

 紀行文 感想/記録 

紀行文

2021年度のスノーアドベンチャーは定光寺アイゼントレーニングからスタートし、千畳敷カールでの雪上訓練、赤岳テント泊を経験頂き、雪山の本格縦走登山である硫黄岳〜赤岳を計画した。今年は冬山は久々の豪雪続きで昨年までの小雪でブッシュや岩の上をガリガリ歩くこともなく、快調な雪山を楽しめる状況です。

ところで今回の山行は出発前から天気が悪化する予報。風雪が強まり稜線の風速は20m以上。行こうかやめようか逡巡したが、膝痛から回復したばかりで行きたい方が強まり、縦走が無理でも赤岳だけでも行こうと決心した。

名古屋を6:45出発して美濃戸口に10時過ぎに到着したが、何と駐車場が満車で止めれず、雪の壁をスコップやスノーダンプで掘り起こしやっと3台の車を駐車できた。

初日はジョーゴ沢での雪訓のため一路赤岳鉱泉に向かう。赤岳鉱泉でアイゼン〜ピッケルを装備しアンザイレンでジョーゴ沢に向かった。ジョーゴ沢F1の左ルンゼで急登をラッセル訓練、中腹でバケツを掘り、バックでのクライムダウンの練習をした。 F1の前で記念写真後、赤岳鉱泉に戻り懇親会を開催。コロナ禍だけど黙食宴会?頂いたワイン🍷を飲み干す。夕食は珍しくビーフシチュー。懇親の夜は続く。

2日目朝食は自炊室で各自簡単に取って余分な荷物をデポして装備を整えて、外に出る。まだ真っ暗で星も見えない。5:15分出発。3班に分けれて行者小屋へ。阿弥陀分岐あたりで空が白み始めた。稜線には雲が垂れ込み強風が吹いているようだ。 これでは撤退かぁと思いつつ足が進む。森林限界を超えると風雪が益々強くなる。下の階段も上の階段も雪で埋まり赤岳主稜の取付きあたりでは風雪がどんどん強くなってきた。

中岳ー阿弥陀分岐で一息取っていると撤退してくる登山者二人。ソロの登山者はどうも一人では心細くヘタレて戻ってきたようだ。パーティーの顔を伺うがまだまだ行けそうだ。赤岳南稜線の岩稜帯に差し掛かると鎖も半分埋まり、強風で鎖も揺れている。顔面を叩く風雪を我慢して、ダガーポジションでアイゼン前爪を立てて登って行く。前面に赤岳-ツルネ権現分岐が見え、一気に岩場を抜けて頂上手前の岩峰ガリーを登り切ると頂上の標識が目に入る。やっと赤岳頂上に到着。標識にタッチ。メンバーにグータッチして岩陰で下山準備。

ゴーグルをはめて下山するも風雪が強まりホワイトアウト気味で視界が遮られる。鎖場を慎重にバックでクライムダウン。昨日のジョーゴ沢訓練が生きている。パーティー全員が必死になってクライムダウン。安全地帯まで戻るとガイド山行と思える一団に出会う。彼も逡巡しているようだが、我々が頂上まで行ったことで、決心して登って行った。樹林帯に戻って一息入れて赤岳鉱泉に戻った。装備解除して鉱泉の味噌ラーメンを食して美濃戸口に戻った。

大変厳しい山行であったが皆さん頑張ってついて来てくれた。ここ数年のスノーアドベンチャーは天気に恵まれていたが、これだけ厳しい頂上アタックは久々であった。この経験はメンバーをより強い登山者にしてくれたのではないかと思っている。

 写真