ジャンダルム登頂

 地図 <ヤマレコ><地形図> 

 

 山行基本情報 

山行部・専門部 アルパイン部
山名/山域 西穂高岳~奥穂高岳 ジャンダルム
ジャンル 縦走
日程 2021年9月9日~11日
CL 会員番号3028
参加人数 4人
文責 会員番号3028

 山行個別情報 

天気 9/9雨のち曇り 9/10晴れ 9/11雨のち曇り
アクセス マイカー ~アカンダナ駐車場 ~ タクシー ~ロープウエイ 上高地~バス~アカンダナ駐車場 
コースタイム

9/9名駅7:00==10:20アカンダナ駐車場10:25==11:10新穂高ロープウエイ11:15++西穂口11:50==13:15西穂山荘

9/10西穂山荘4:40==7:50西穂高岳==9:50間ノ岳==10:55天狗の頭==13:40コブ尾根の頭==ジャンダルム13:55==14:30ロバの耳==15:15馬の背==15:40奥穂高岳==16:20穂高岳山荘

9/11穂高岳山荘6:30==8:40涸沢小屋==12:10横尾==13:30徳澤==15:50上高地バスターミナル16:00==アカンダナ駐車場==平湯の森18:00==21:30名古屋本山駅

コース状況 天狗のコルからのキツイ登りの後に、縦走路中のハイライトとも言えるジャンダルム〜ロバの耳〜馬ノ背を通過するってことはやはり体力的にキツいコース。 最も難しいのはジャンからロバ耳の小尾根を乗り越し、飛騨側へほぼ垂直の岩場をクライムダウンする箇所する。
共同装備 ロープ30m1本 ツエルト2個

 紀行文 感想/記録 

紀行文

今年は夏なのに台風と長雨でいつの間にか夏山シーズンも終わってしまい欲求不満が募る日々となっていました。 兼ねてより山岳会の会員からリクエストがあった西穂高から奥穂への難関ルートの山行を9月9日からアタックしてきた。

およそ地図に載っている登山路としては、おそらく日本一の難路ともいわれる。 ジャンダルムに代表される岩稜歩きの困難さばかりが強調されがちなこのルートだが、西穂から奥穂へ向かう場合その積算標高差は約1600mとも言われ、しかもその間に1000m以上を下降する非常な体力ルートである。 標高3000m付近の希薄な酸素の中で随所に手も使うクライミング的な動きを求められ、時にはその高度感に筋肉が緊張しまくった中で力を振り絞らねばならないのです。 言ってみれば筋トレしながら口鼻にはマスクをしてランニングをするようなもんです。

体力的には『奥穂→西穂』の方が標高を下げていくので有利だと思うが『西穂→奥穂』の方がかなり大変です。 天狗のコルからのキツイ登りの後に、縦走路中のハイライトとも言えるジャンダルム〜ロバの耳〜馬ノ背を通過するってことはやはり体力的にキツいコースなのです。 個人的には最も難しいのはジャンからロバ耳の小尾根を乗り越し、飛騨側へほぼ垂直の岩場をクライムダウンする箇所ではないかと思う。

さて、このルートを歩くならベストシーズンは9月初中旬頃ではないかと思う。 それは真夏の暑さに体力を消耗することがなく、移動性高気圧が訪れるこの時期こそ比較的余裕を持って縦走出来ること、併せて比較的登山者が少ないこと、天狗のコルからのエスケープルートに残雪の心配がないこと、などからです。

初日は新穂高ロープウエイ経由で西穂山荘までお気軽ハイキング。少し物足りないが明日の縦走に備えて体力温存。

9月10日、ジャンダルムアタックは早朝4時40分。ヘッ点照らし丸山通過。独標下部で朝食弁当を食べ、6時20分独通過、ピラミッドピーク、チャンピオンピークを越えて7時50分に西穂高岳に至る。 P1の激降りを経て赤岩岳に9時。まだまだ小ピークを登降りして目指すは、中間点の間ノ岳。9時50分に通過。ここまで来ると登山者は数える程しかいない。

間天のコルで休憩し、逆層スラブを見上げてこれからが、難関コースの本番と自ら言い聞かせる。フリクションを効かせて逆層スラブを通過すればまもなく天狗の頭。申し訳程度の標章しか無い。ここからも激降りで垂直の岩場を鎖伝で下降する。 降り立つとそこは天狗のコル。 天狗沢経由で岳沢に下山するルートの交差点だ。この天狗沢ルートは夏の初めは雪渓が残り厳しい登下降となり、しかもガレガレが売りとの事。行きたくないが、いざとなれば行かざるを得ないルートだ。

天狗のコルから見上げると激登りでルートポイントがハッキリしていない。ガスってルートを外しやすい箇所がいっぱい有る。要注意の場所だ。

コブ尾根の頭を13時40分通過すると一気に雰囲気が変わる「眼前にジャンダルムの岩峰」が迫って来るメーンイベントの場所である。

ジャンダルムには既に2人の男女がエンゼルを持って撮影中である。 ジャンダルム下部を左手から回り込み一気に頂点に向かう。息が上がっているがアドレナリン全開で13時55分登頂を果たす。メンバー達と記念写真を撮る。奥穂側の登山者が次々に上がって来るためさっさと下山に向かう。

ジャンダルム下部をトラバースしてロバの耳に向かう。ロバの耳の下降が矢張り厳しいと感じる。鎖を5ー6本クライムダウン。メンバー達もクライミングしていて良かったと口々に叫んでいる。

馬の背を15時15分通過。日頃バリエーションルートをやっていると多少は緊張するが足場も有り余裕で通過できる。 間もなくすると奥穂高岳の頂上へ辿り着く。この日の行動時間は11時間40分。

16時20分の今日のお宿「穂高岳山荘」に到着。平日でも有りガラガラの状態で余裕の状態だ。いつもならば相部屋でも満員電車の様だが、コロナ禍でも有り、登山者も少ないようだ。

下山は出発予定の6時頃、土砂降りの雨。小降りになった所で出発。雨で濡れたザイデングラードを注意深く降りる。涸沢小屋で休憩。本谷橋、横尾を通過。徳沢でカレーライスの昼食。 旅のフィナーレは上高地バスターミナル。15時50分に到着。この日の行動時間約9時間。バスでアカンダナ駐車場へ。これでこの山行も終わりました。 楽しい仲間たちとの楽しくも厳しい山行であった。参加者の皆様に感謝。また来年もチャレンジしよう!

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