沢上谷はそうれ谷と読む。なかなか読みづらい名前の谷だが、一度覚えてしまうとその特異な名前から忘れそうにない。
前夜泊は入渓地広場の空き地にテント4張りという大所帯だった。まずは日没まで時間があるので有志4名による釣りから始まった。釣果はさすがCLの2778さんはヤマメを3匹ゲット(本人はイワナと言っていたが鮮明なパーマークがあるので審議の結果ヤマメとなった)、2641はナマズに似たギギを1匹釣り上げた(情けない)、3084と3290はボーズであった。
CLはいい餌を買ってきたらしいが私は庭のミミズ。この違いだと思っているがCLは完全に腕の違いだと言い切った。CLに敬意を表してそういうことにしておこう。
前日に2581からスイカが届いたので持参した。これも駐車地での幕営のいいところだ。
宴会もたけなわで焼酎一升空けるころ雷鳴とともに雨が降ってきた。
三々五々テントに潜り込む。明日の遡行を楽しみに熟睡した人や眠れぬ夜を過ごした人や。
朝になって終了点に車を置き車に向かう。そのあいだに分担して各自が撤収とか遡行準備とか。
CLの指示でトップを歩く、昨夜の雨で水量はやや多い感じだ。トップで嫌なのは蜘蛛の巣払いをしなきゃならないのでこれが大変。その分魚影が追えるのでそれも楽しい。
しばらくはゴーロを行く。やがて左からの支流に入り水量の多い滝を巻き気味に越えスラブ状のナメをフリクションを効かせながら登ると二条に細かい泡の流れを落とす五郎七郎の滝に着く。
女性陣の歓声が上がる。まさに女性らしいしなやかに流れを落としてくる滝の美瀑に見とれてしまうのだ。五郎滝の奥にはもう一つ滝を掛けていた。
本流まで一か所ロープを垂らしてピストンで戻る。
本流の流れをルートファインディングでさかのぼる。やがて水量が1:1ほどの支流をやはり左の支流へと入っていく。
巨大なオーバーハングの岩洞滝が現れた。ドウドウと50mほどの高さから流れを落としている。岩壁に映える花はつつじ系の花だろうか。そのコントラストがまたいい。
滝の裏側によじ登るメンバー数人。それを眺めるメンバーの温かいまなざし。
沢登りというピリピリとした山行形態の中にメンバーを思いやる暖かい気持ちが伝わってくる。
しばし男性的な岩洞滝に見とれていると時間のたつのも忘れてしまいそうだ。
本流に戻りしばらく行くとメインイベントの滝蓑谷大滝が眼前に現れた。スラブを幅10mでシャワシャワと流れを作っている。ガイドブックは30mとなっているが40m以上はあると思う。素晴らしいの一言に尽きる滝だ。
滝から右岸を大高巻きして本流に戻るとそこは延々と続くナメ沢の世界。まるでアスファルトの道路の緩い坂前面に流れを作っている。歓声を上げながらジャブジャブ行く。どこまでも続くナメ沢にこの世のものとも思えないような不思議な気分になってくる。
滑滝にかかるロープを手掛かりに左岸を登るとまたまた延々と滑沢が続く。
やがて終了点の橋が見えてきた。メンバー全員が感動と満足の笑顔で林道に上がった。
また来よう!そんな思いがこみ上げてきた。
(文責2641)
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